※大学三年生のころの彼女と元親とちゃらんぽらん


「おいアンタ、一体いつから毛利と付き合ってたんだ? 教えてくれたっていいじゃねえかよお、水くせえ」「ええ? そんなこと誰に聞いたのよ」「前田」「あのちゃらんぽらん……。言っとくけど、わたしと毛利くんは付き合ってません。なにもありませんただの友達です」「んだあ、いつも一緒にいるから俺はてっきり」
「そう頑なに否定するところが、まーた怪しいんだよなあ」
「うおっ」「でたちゃらんぽらん」
「おい前田ア、適当な噂流してんなよ」「そうだそうだ」
「適当だなんて酷いなあ。元就が何日もゆとりちゃんの部屋に泊まってたなんて聞いちゃあ、そう考えるのが普通だろ?」
「ちょっ、ば、なんでアンタがそんなこと知ってんの!?」
「お、こっちは当たりかい? それも連日夜深くまで電気が点いてたって話だ。さぞや激しく盛り上がったんだろうねえ」「ほー……しかしなかなかゲスいなアンタ」「ちがうちがう違わないけどぜんぜん違う! 大体電気点けっぱなしでするわけないでしょ!」「わけなくはねえが」「へーえ、ゆとりちゃんは電気消さなきゃいやなのかあ」「もう二人ともしんでほしい……」「俺もかよ」

「でも付き合ってもいない男を連日部屋に泊めるってのもどうかと思うよ。誤解されても仕方ないって」
「ぐう、否定、は、できない……けど慶次に言われるとこんなにも腹立たしいのはなぜ」「おまえの言いてえことはよおくわかるぜ」

「とにかく、勉強しかしてません」
「ふーん? まあゆとりちゃんはそんなことで嘘吐いたりしないか」「あれだ、俺がノート貸してやったやつだろ?」「そうそう。その節はお世話になりました」「毛利のやつ、なんか言ってたか?」「内容とまとめ方は及第点だけど字が汚いって」「喜ぶべきなのか腹立つべきなのかわかんねえな」「なんだい元親は知ってたのか」「泊まったとは聞いてねえがなあ。あんときゃびびったぜ。あの毛利が自分には関係ねえ講義のノートを貸せなんて言って来たんだからよう」「へええ」「まあゆとり関係だろうとはすぐにわかったが」「はずかしいからもうやめて」


「今後あんまり煩かったり下ネタふってきたらもう慶次とは口きかないからね」「そう怒んないでよ、気をつけるからさ!」「世の中みんなおまえみたいな人間ばっかじゃねえんだってな」「そうそう」「わーかったって」
「っていうか」
「うん?」「おう」
「毛利くんとわたしはなんなのか、わたしが一番ききたい」
「と、言うと」「あー……」
「やっぱりゆとりちゃんは元就のことが」
「恋愛ジャンキーってセックスジャンキーよりある意味たちが悪いと思うの」「まあ確かに」
「悪かったって! ごめんごめん」





(09/11/18)